風のなかの「 旅日記」

旅の日記です。たまに京都のおでかけ日記も…。

第66回正倉院展へ。(2014年度)-「鳥毛立女屏風」など-

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秋晴れの日に、第66回「正倉院展」に行ってまいりました。

今回の展示は天皇傘寿のお祝いで、

この図録表紙の「鳥毛立女屏風」をはじめとして、

出品されるものが華やかなものが多いとのこと。

 

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朝一番に行ったのにも関わらず、

入り口はずらずらずら〜っと、長蛇の列。

朝の9時の時点ですでに入館出来るまでに「20分待ち」でした。

行列はすでに三つ折り状態。^-^;

京都博物館での鳥獣戯画も大概の人出でしたが、

奈良博の正倉院展も平日だというのに多い人でした。

それでも多い人の波に飲まれながらも、

なんとか全出品物、頑張って見てまいりました。

目玉の「鳥毛立女屏風」も「桑木阮咸(くわのきのげんかん)」も

「衲御礼履(のうのごらいり)」も素敵だったけれど、

今回、意外に個人的に楽しめたのは古文書でした。

東大寺の荘園の開墾状況を記した古文書があったのですが、

几帳面に書かれた文字のなかに、「礪波郡(となみぐん)」とあって、

おぉぉ、これはもしかして富山の砺波のこと?

と思ったら、やっぱりそうでした。

東大寺は富山にまで荘園を持っておられたのですねぇ。

 

あと、豊前国(今の福岡県)の戸籍などは、

1300年も前の人の妻とか妾とか子どものことが

事細かにわかっちゃうんですよ、びっくり。

まさかこの戸主も千何百年も後の世で、

自分の戸籍が公衆の面前に晒されるなんて、

想像もしなかったことでしょう、^-^;

それにしてもこの時代、

戸籍の管理が思いの外しっかりしていたのですね。

(いや、戸籍の作成の話はちゃんと歴史で習っているはずですが、

こうして目の当たりにすると、その管理能力にびっくり。

そしてそれが1300年もの時を経ても残っていることに

驚いてしまいました。)

 

石山寺造営のときの古文書も、

労役に出た人の出身国とか年齢とか労役年数とか、

そんなことが事細かに残っているんです。

そしてまたこの時代は、楷書なので、

ちゃんと現代の私たちにも読めるんです。

平安時代になると、崩字になって途端に読めなくなります、^-^;)

そしてこうした古文書の字はとても几帳面で美しい字なのです。

それを専門にした職の方がきっといたのでしょうね。

それに比べると、藤原仲麻呂恵美押勝)の筆は

ちょっと右上がりでくせのある字やね〜とか、

好き勝手なことを言いながら眺めてまいりました。

 

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その後、地下の回廊では、

第二回からの正倉院展のポスターが展示されていました。

最初のほうのポスターは写真ではなく宝物も手書きでした。

ちなみに私が生まれた年のポスターを見ると、拝観料大人50円でした。^-^;

(今年の拝観料は1100円。

前回、鳥毛立女屏風が展示された平成11年は860円でした。

ちなみに私はこの間手に入れた京博のパスポートで行ってまいりました。^-^)

正倉院展、私はたぶん大学時代に来て以来でしたから、

ん十年ぶりだったのですが、昔はこんなに混んでいなかったような。

 

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正倉院外構が一般公開されているということでしたので、

午後からはそれを見学に行きました。

正倉院外構見学のお話はこちら♪


正倉院外構見学。(おまけの話を追記) - 風のなかの「 旅日記」

 


興福寺・北円堂開扉。 - 風のなかの「 旅日記」

 

(おまけ)正倉院展のお土産は、

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「鳥毛立女屏風」の御懐紙と、

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正倉院文様のおふきんと、ポチ袋にしました。

そして、図録は1200円と、すごく良心的なお値段でした。

(図録って2千円はするものと思っていたので、

なんだかそのお値段に感動してしまいました。^-^)

 

☆この記事はsideblog「Kazenonaka」からこちらに移動させ、

加筆修正いたしました。m(_ _)m