秋晴れの日に、第66回「正倉院展」に行ってまいりました。
今回の展示は天皇傘寿のお祝いで、
この図録表紙の「鳥毛立女屏風」をはじめとして、
出品されるものが華やかなものが多いとのこと。
朝一番に行ったのにも関わらず、
入り口はずらずらずら〜っと、長蛇の列。
朝の9時の時点ですでに入館出来るまでに「20分待ち」でした。
行列はすでに三つ折り状態。^-^;
京都博物館での鳥獣戯画も大概の人出でしたが、
奈良博の正倉院展も平日だというのに多い人でした。
それでも多い人の波に飲まれながらも、
なんとか全出品物、頑張って見てまいりました。
目玉の「鳥毛立女屏風」も「桑木阮咸(くわのきのげんかん)」も
「衲御礼履(のうのごらいり)」も素敵だったけれど、
今回、意外に個人的に楽しめたのは古文書でした。
東大寺の荘園の開墾状況を記した古文書があったのですが、
几帳面に書かれた文字のなかに、「礪波郡(となみぐん)」とあって、
おぉぉ、これはもしかして富山の砺波のこと?
と思ったら、やっぱりそうでした。
東大寺は富山にまで荘園を持っておられたのですねぇ。
あと、豊前国(今の福岡県)の戸籍などは、
1300年も前の人の妻とか妾とか子どものことが
事細かにわかっちゃうんですよ、びっくり。
まさかこの戸主も千何百年も後の世で、
自分の戸籍が公衆の面前に晒されるなんて、
想像もしなかったことでしょう、^-^;
それにしてもこの時代、
戸籍の管理が思いの外しっかりしていたのですね。
(いや、戸籍の作成の話はちゃんと歴史で習っているはずですが、
こうして目の当たりにすると、その管理能力にびっくり。
そしてそれが1300年もの時を経ても残っていることに
驚いてしまいました。)
石山寺造営のときの古文書も、
労役に出た人の出身国とか年齢とか労役年数とか、
そんなことが事細かに残っているんです。
そしてまたこの時代は、楷書なので、
ちゃんと現代の私たちにも読めるんです。
(平安時代になると、崩字になって途端に読めなくなります、^-^;)
そしてこうした古文書の字はとても几帳面で美しい字なのです。
それを専門にした職の方がきっといたのでしょうね。
ちょっと右上がりでくせのある字やね〜とか、
好き勝手なことを言いながら眺めてまいりました。
その後、地下の回廊では、
第二回からの正倉院展のポスターが展示されていました。
最初のほうのポスターは写真ではなく宝物も手書きでした。
ちなみに私が生まれた年のポスターを見ると、拝観料大人50円でした。^-^;
(今年の拝観料は1100円。
前回、鳥毛立女屏風が展示された平成11年は860円でした。
ちなみに私はこの間手に入れた京博のパスポートで行ってまいりました。^-^)
正倉院展、私はたぶん大学時代に来て以来でしたから、
ん十年ぶりだったのですが、昔はこんなに混んでいなかったような。
正倉院外構が一般公開されているということでしたので、
午後からはそれを見学に行きました。
↓正倉院外構見学のお話はこちら♪
正倉院外構見学。(おまけの話を追記) - 風のなかの「 旅日記」
(おまけ)正倉院展のお土産は、
「鳥毛立女屏風」の御懐紙と、
正倉院文様のおふきんと、ポチ袋にしました。
そして、図録は1200円と、すごく良心的なお値段でした。
(図録って2千円はするものと思っていたので、
なんだかそのお値段に感動してしまいました。^-^)
☆この記事はsideblog「Kazenonaka」からこちらに移動させ、
加筆修正いたしました。m(_ _)m