2013年春の旅、最終日の朝は、
雨が降って、青い夜明けでした。
お昼前に雨があがったので、海を見に行きました。
玄界灘はまるで眠りについたように静か。
少し沖に黒い点が見えたのでズームすると、
海鵜が2羽仲よく小さな岩場にとまっていました。
彼らも静かな海の上では、彫像のように動きません。
まるで、ここは時が止まっているかのよう。
東側の漁港も鏡のような水面。
海の中にもうひとつ、逆さまの世界が見えます。
足もとをみると、石の上に♡形をした水たまりがありました。
山からたなびく雲は、空に向かって飛んで行く飛魚のよう。
堤防には釣り人が一人。
堤防の外も静かな水面。
塀にはセキレイが1羽、海を見つめていました。
岩場にも、波ひとつ立たず…ここも時が止まったよう…。
そしてときおり通る電車の音だけが、時間が動いていることを示します。
さあ、もうすぐ電車のくる時間。
この線路の向こうに帰ろう。
そう、ここからまた、あらたな時がはじまります。