風のなかの「 旅日記」

旅の日記です。たまに京都のおでかけ日記も…。

若冲と蕪村 @MIHO MUSEUM (ミホ ミュージアム)

8月最初の日、

滋賀県信楽(しがらき)にあるMIHO MUSEUM に行ってまいりました。

こちらはレセプションセンター。

こちらでチケットを購入して、

電気自動車、または歩いて美術館へとまいります。

 

レセプション棟からミュージアムまでは約0.5km、

電気自動車も出ていますが、歩くことにしました。

 

サイドに小さな遊歩道がありました。

 

ここを歩くほうが、心なしか少し涼しいです。

 

左右には枝垂れ桜が植えられています。

桜の頃に訪れたら、さぞかし綺麗なことでしょう♪

さて、トンネルの入り口が見えてまいりました。

 

トンネルの中は少しひんやり。天然のクーラーが効いています。

 

入り口から青い空が、トンネル内に映り込んでいます。

 

このトンネル、ちょっと近未来的な感じがします。

なんだかワープ出来そうな…^-^;

 

ワープの先が見えてきました、^-^;

ここは「桃源郷」をイメージして作られたそうですが、

 

「トンネルを抜けると、桃源郷だった」とまさに言いたくなるような風景です。

 

橋を振り返るとこんな感じ。

歩くのがつらい人のために「電気自動車」が

インフォメーション棟と美術館を行き来しています。

 

こちらがミュージアム

建物の80%が地下になっている構造らしく、ここからは入り口しか見えません。

 

入り口から中が透けて緑が見えます。

 

入り口を入ってすぐ。

 

この松の枝ぶりと風景、まるで日本画を見ているよう。

 

建物の設計は、ルーブル美術館のガラスのピラミッドなどで知られる

I.M.ペイ氏によるものだそう。

 

さて、今回、訪れた目的はこの「若冲と蕪村」展。

 

生誕300年。

二人の作家は同じ年に生まれ、京都の四条界隈、ご近所に住んでいたらしいです。

でも、二人が交流していたというものは見つかってないとか。

(たぶん…、お互いに相容れなかったんじゃないかなぁ?←勝手な憶測 ^-^;;)

 

蕪村も素晴らしいのですが、

こうして一緒に展示すると、なんだか若冲の作品のインパクトが強過ぎて、

蕪村のほうの印象が薄くなってしまう気がするのは私だけ?

 

若冲さん、青物問屋が生業だっただけあって、

お野菜に対する愛情をひしひしと感じました。

でも今回、一番インパクトあったのは鯨と白象の屏風かもしれません。

この鯨と白象の屏風、似たようなのがほかにも1対あるそうです。

ここの館長の話(ビデオによる解説)によると、

祇園祭宵山の屏風祭で1対が評判になって、もう1対作ってほしいと

頼まれたんではないかという話でした。

(象の背景などが微妙に違うらしい。)

おぉ、祇園祭の屏風祭りって、

その頃からあったのか…と、びっくり。

若冲は晩年、深草の石峰寺の石仏作りに関わったそうです。

石峰寺はかれこれ20年ほど前に訪れたっきりなので、

今一度、あの石仏に逢いに行きたいなぁと

この展示会を見て思ったのでした。

 

うちのコは蕪村の「学問は」自画賛に受けてました。

「学問は 尻から抜ける ほたる哉」って、

テスト前やから、これはないわーって。^-^;

(2日後に数学のテスト2連発でした、笑 ←テスト前に連れ出してしまった、^-^;;)

あと「鳶」と「鴉(からす)」の対になった絵が気に入っていたので、

その葉書が欲しかったみたいですが、

なぜか「鴉」だけが売り切れでした。

(鳶が芭蕉、鴉が自分自身をあらわしているそう。)

鴉と鳶はふだんから目にしている鳥だけに、

蕪村の絵の中で、この絵の印象が一番深かったかもしれません。

 

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そう言えば、今年の5月に訪れた金福寺をあげそびれているので

一枚あげておきます。

青もみじと「芭蕉庵」です。

この芭蕉庵は蕪村が芭蕉をしのんで、再興したものです。

そしてここが彼(蕪村)のお墓のあるお寺です。

↓これは以前訪れた「芭蕉庵」の記事。

kazenokomichi.hatenablog.jp

 

中庭。

 

日本庭園風。

 

見終わったあと、こちらの喫茶室でお昼をいただきました。

喫茶室、それからレセプション棟のレストラン、

いずれも食材にはこだわりがあるそうです。

 

夏野菜とエマー小麦のフジッリ、冷製スープ仕立て。

(喫茶室、サンドウィッチはもう売り切れていたので、

ランチはこれ1種だけでした。) 

 

鯨と象のケーキ。

鯨はレアチーズ、象さんはクッキーでした。

屏風の絵と色が逆のような気がせんでもないが、

ま、いいかっ、美味しかったし、^-^;

 

レモンタルト♡

 

 喫茶室の天井。三角の窓の切り取った空の眺め。

 

地下1階。

こちらは西アジア、南アジア、中国、ペルシアなどの展示物があります。

 

(追加写真と追記)

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中でも印象的だったのは、「リュトン」というもの。

(これは牡鹿形リュトン ギリシア 前4世紀のもの)

これが時代や場所を超えて、いろいろと展示されていました。

西アジアのヘレニズム文化のなかでもこのリュトンはありました。

たぶんギリシャから文化が流れてきたのでしょうね。)

一見、角笛のような形をしていて何だろうと思ったのですが、

これは酒器だということでした。

かつてこの酒器で酒の宴が催されていたと想像すると、

それだけでひとつの物語が紡げそうです。

 

階段の窓から空が見える。

 

B1階からの風景。

 

 帰り、橋の上から見えた花。何の花かしらん?

(追記)コメント欄でbotibotiさまに教えていただきました。

「カラスザンショウ」と言うそうです。

ありがとうございます。m(_ _)m

 

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ちょっと、拡大写真。

 

では、またこのトンネルを通って、下界へと戻ることにいたしましょう…^-^;

 

ミホミュージアム - MIHO MUSEUM

↑展示作品の詳しい説明はこちらのHPをご覧下さい。

若冲と蕪村」展は8月30日まで。

 

(おまけ)

図録。

3000円もしたけれど、見応えあり。

 

 

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絵はがき。若冲の白象と鯨、蕪村の鳶。

蕪村の鴉が売り切れていたので、鳶だけ。

 

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若冲の絵はがきたち。

 

ミニクリアフォルダーと手ぬぐい。

いずれも若冲の絵のもの。

若冲の絵はこういう商品にしやすい絵柄かもしれません。)

 

 そして帰りにこれを買いました。

若冲

若冲

 

楽しみながらゆっくり読むことにしましょ♪ ^-^

 

ー追記ー

我が家は朝から車で出かけました。

朝からも結構な人がいらっしゃっているなと思いましたが、

展示物はゆっくりと見られる程度の混み具合でした。

ところが、一通り見てきて外に出たら、人が明らかに増えています。

若冲と蕪村展の入り口も混み混み。

喫茶室もレストランも混み混み。

(でも、山の中だから他に食べるところはないし。)

15時頃でもまだまだ人は増え続けていました。

ゆっくりと観賞するなら、朝一番に行くのがおすすめです。