「新緑の鞍馬へ。その1-由岐神社- 」からの続きです。
緑眩しいもみじをあおぎ見ながら、九十九折りの参道を歩いていきます。
中門に到着。
この辺りは鬱蒼とした木立が続きます。
晴れた日でも参道は薄暗いので、新緑の眩しさが目に染みます。
九十九折りの道が終わり、ようやく視界がひらけてきました。
ここまで来れば、山の上まであと一息。
階段の途中にある鞍馬石で出来た手水舎。
世界百科事典の第2版によると、
京都市鞍馬山に産するセン緑岩の石材名。通常鉄さび色をした自然石のまま庭石に用いられる。石灯籠,水鉢などにも利用されるが,この時も自然の肌を最大に生かすように加工されている。
とのこと。
ほんと、鉄錆色をした石でした。
新緑と青空、そして渡って行く風が心地よいです。
ここからの眺めにうっとりしていると、
「ええ写真は撮れましたか?」と背後から声が…。
振り向くと、お寺の方がいらっしゃいました。
そして新緑の向こうに見える山は、比叡山だと教えて下さいました。
うちから見える比叡山とはまた趣が違います。
本殿金堂に到着。満開の八重桜が出迎えてくれました。
その横で藤も咲き始めていました。よい香りがします。
本殿金堂。
鞍馬山の信仰は、尊天信仰です。
尊天とは、人間をはじめ、この世に存在するものすべてを生み出している
宇宙生命、宇宙エネルギーのだそう。
(またまた果てしない話になってきました。^-^;)
そして、「尊天」とは下の三身を一体として称するのだそう。
月輪の精霊ー愛=千住観世音菩薩
太陽の精霊ー光=毘沙門天王
大地の霊王ー力=護法魔王尊
なので、「月のように美しく 太陽のように暖かく 大地のように力強く」と祈り、
「すべては尊天にてまします」と唱えるとありました。(ガイドブックより)
また、この本殿金堂の前の石畳は「金剛床(こんごうしょう)」と言うそうで、
内奥に宇宙の力を蔵する人間が宇宙そのものと一体化するという
鞍馬山の理想を表現しているのだそう。
何やらここから、ものすごいエネルギーが発せられていそうですよね。^-^
一方、本殿金堂の前方にあった張り出した見晴らしのよい場所は、
「翔雲臺」と言います。
ここは平安京をお護りするため本尊が降臨した場所とされています。
真ん中に鎮座している石は本殿金堂の後ろから出土した経塚*1の蓋石であったとか。
阿の虎と
吽の虎。
そういえば去年、このウエサク祭の行ってみたい!と思ったことを思い出しました。
今年は五月十四日なのですね。
いつか行ってみたけれど、お祭りが終わるのは十二時を過ぎるとか…
みなさん、鞍馬でそのままお泊りされるのかしら?
本坊・金剛寿命院の前にある「瑞風庭」
ここでは奥の院に護王魔王尊が降臨する様子を表現しているそうです。
(ガイドブックより)
ここからいよいよ「奥の院」へと向かいます。
…というわけで、その3に続きます。
<関連エントリー>
新緑の鞍馬へ。その1-由岐神社- - 風のなかの「 旅日記」
*1:経塚(きょうづか)とは、経典を土中に埋納した塚。
仏教的な作善行為の一種で、経塚を造営する供養のことを埋経という。